パスワードとパスワードファイル

パスワードとパスワードファイル

 グループの定義は/etc/groupファイルに、ユーザの定義は/etc/passwdファイルに記述されている。ユーザを利用するにはパスワードが必要でパスワードは/etc/shadowファイルに暗号化されて記録されている。パスワードの変更は passwd コマンドを使って行う.

パスワードファイル ( /etc/passwd )

 ユーザの情報は/etc/passwdファイルに保存され、1行に1ユーザの情報をコロン ( : ) で区切って記述する。パスワードファイルに登録された1ユーザの内容は次のようになる。

account:password:UID:GID:GECOS:dirextory:shell
パスワードファイルの内容
項目 内容
account そのシステムでのユーザ名。大文字を含まないようにする。
password 以前はユーザの暗号されたパスワードで現在は'X'である。
UID ユーザID
GID ユーザが所属するプライマリグループID番号
GECOS ユーザの名前、またはコメントのフィールド
directory ユーザのホームディレクト
shell ログイン時に起動されるユーザのコマンドインタプリタ

GECOS = General Electric Comprehensive Operating System

 従来はパスワードファイルに暗号化されたパスワードを記述していたが、多くのディストリビューションはセキュリティを考慮してシャドウファイルにパスワードを記述している。

 パスワードファイルはエディタで直接編集するべきではない。useradd コマンドなどで操作することが推奨されている。

グループファイル ( /etc/group )

 グループの情報では/etc/groupファイルに保存され、1行に1グループの情報を : で区切って記述する。グループファイルに登録された1つのグループの内容は次のようになる。

group_name:password:GID:user_list
グループファイルの内容
項目 内容
group_name グループの名前
password 以前は暗号化されたグループのパスワード、またはパスワードが不要なら空欄
GID グループID
user_list グループに所属するユーザー名のリスト。それぞれのユーザ名はコンマで区切られる。

 グループファイルはエディタで直接編集するべきではない。groupadd コマンドなどを使って操作することが推奨される。

パスワード

 ユーザの権限を使うにはユーザ名とパスワードを使って認証する。ユーザのパスワードを登録、変更するにはpasswd コマンドを使う。また、パスワードの登録にはパスワードが必要になるので、初めてパスワードを登録するにはシステム管理のrootユーザ ( スーバーユーザ ) である必要がある。

passwd [ユーザ名]

シャドウファイル ( /etc/shadow )

 ユーザのパスワードはパスワードファイルではなく、シャドウファイル ( /etc/shadow ) に保存される。シャドウファイルに登録された1つのユーザの内容は次のようになる。

account:passwprd:last_changed:may_be_changed:must_be_changed:warned:expires:disabled:reserved
シャドウファイルの内容
項目 内容
account ユーザ名
password 暗号化されたパスワード
last_changed 1970年1月1日から、最後にパスワードが変更された日までの日数
may_be_changed パスワードが変更可能となるまでの日数
must_be_changed パスワードを変更しなくてはならなくなる日までの日数
warned パスワード有効期限が来る前に、ユーザが警告を受ける日数
expires パスワード有効期限が過ぎ、アカウントが使用不能になるまでの日数
disabled 1970年1月1日から、アカウントが使用不能になるまでの日数
reserved 予約フィールド

シャドウファイルはエディタで直接編集するべきではない。日付に使われている基準の1970年1月1日はLinuxシステムが基準としている時間である。